2003年3月期第3四半期
業績(単体)の概要
単位:百万円
平成15年3月期 第3四半期 |
平成14年3月期 第3四半期 |
|
---|---|---|
営業収益 | 1,356(45.6%) | 932(76.8%) |
営業利益 | 136(34.0%) | 101(85.5%) |
経常利益 | 139(37.9%) | 101(265.6%) |
当期(四半期)純利益 | 72(32.3%) | 54(328.3%) |
業績(単体)について
当社の当四半期(平成14年4月1日~平成14年12月31日)の業績は、営業収益はソフトダウンロード販売事業の伸びに支えられ、前期通期実績を上回る1,356,952千円と前年同四半期に比べ45.6%の増加となりましたが、前四半期(平成13年4月1 日~平成13年12月31日)が前年同四半期に比べ76.8%の増加したのに比べ伸び率は鈍化しております。一方、利益面では、営業利益が136,453 千円と同34.0%の増加、経常利益が139,499千円と同37.9%の増加、当期純利益が72,326千円と同32.3%の増加とそれぞれ順調な伸びをみせましたが、業容拡大に向けて採用増を行ったことに加えて、役員退職慰労金の支出など人件費が増加したことなどが響いて営業利益、経常利益とも営業収益の伸びを下回りました。当期純利益も、本社移転費用12,491千円を特別損失として計上したこともあって、営業収益の伸びを下回ることとなりました。営業収益は平成13年10~12月期におけるパソコンウイルス対策ソフトの売上急増で飛躍的な伸びをみせたあとも高水準が続いておりましたが、平成14年 10~12月期のプロレジサービスの好調で平成14年7~9月期に比べ17.6%の増加ともう一段の飛躍をみせました。利益面でも平成13年10~12月期以降伸び悩んでおりましたが、平成14年10~12月期は平成14年7~9月期に比べそれぞれ20%を上回る増加となりました。
ダウンロード販売事業
ダウンロード販売事業については、主力のプロレジサービス(ソフトハウスなど法人作者からの仕入によるもの。)の当四半期(平成14年4月1日~平成14 年12月31日)における販売金額は、1,111,349千円と前年同四半期に比べ77.3%の増加となりましたが、前四半期(平成13年4月1日~平成 13年12月31日)が前年同四半期に比べ126.1%増加したのに比べ伸び率は大幅に鈍化しております。販売件数でみますと、当四半期は293,125 件と同55.5%の増加をみせましたが、前四半期の同92.4%に比べ伸び率は大幅に鈍化しております。ただ前四半期は後半にかけて大型商品のコンピュータウイルス対策ソフトが爆発的な売行きをみせ、その分販売金額が嵩上げされていることを考慮すると高水準の伸びが続いているといえます。なお、販売件数の伸びに比べ販売金額の伸びが高くなったのは、ブロードバンド化の進展に伴うソフトのスケールアップで平均販売単価が当四半期は3,687円と前年同四半期に比べ14.1%上昇したことが寄与しております。こうした状況を各四半期(クォーター)別にみてみますと、平成14年10~12月は年賀状ソフトなど小粒でも人気商品に恵まれたこと、当社サイト上で販売促進のためのキャンペーンを展開したことなどが奏功し、平成14年7~9月に比べ16.5%の増加となり、販売件数でも同21.4%の増加をみせました。なお、当四半期(平成14年4月1日~平成14年12月31日)におけるプロレジサービスに係るソフトウェア販売原価に占めるソフトバンク・コマース株式会社(同社は平成15年1月7日付にてビー・ビー・テクノロジー株式会社など3社と合併してソフトバンクBB株式会社となりました。)経由の仕入分の割合は45.3%と、前年同四半期の49.2%に比べ若干低下しております。
一方、シェアレジサービス(主として個人作者の提供によるもの。)は、当四半期(平成14年4月1日~平成14年12月31日)の販売金額は 49,274千円と前年同四半期に比べ2.8%の減少となりました。なお、販売件数でみますと、157,530件と前年同四半期に比べ3.8%の減少となり、平均販売単価が1,951円と前年同四半期に比べ4.5%の上昇をみせましたが、販売金額は減少を余儀なくされました。ブロードバンド時代に即応した魅力のあるソフトウェアの開発力という点で組織的に行う法人作者(ソフトハウス)は優位に立っており、個人作者からのソフトウェア供給に依存するシェアレジサービスの減少傾向は長期化する可能性が高いといえます。
この結果、ソフトダウンロード販売高を手数料収入ベースでみた場合、当四半期(平成14年4月1日~平成14年12月31日)は、シェアレジサービスが 49,274千円に対して、プロレジサービスは、230,674千円と当該事業全体の82.4%(前年同四半期は72.7%)を占めるにいたりました。
当社は、ダウンロード販売事業、とりわけプロレジサービスを当社全体の事業の柱として位置づけておりますが、利用者層がパワーユーザー層に偏っている現状を改める必要性を認識しております。今後のブロードバンド化の進展という追い風を事業拡大に結びつけるため、初心者層、主婦層、高齢者層などへの訴求を行うことによってパソコンソフトウェア市場の一層の拡大が見込めるものと思われます。
(注)営業収益の計上方法は、シェアレジサービスは利用者及び作者からの手数料(利用者からは利用毎に一定後との手数料を徴収し、作者からはソフトの本体販売価格に一定料率を乗じた金額を手数料として徴収しております。)のみを計上しているのに対し、プロレジサービスは本体販売価格に利用者手数料を加えたものを売上高として計上しております。
サイト広告販売事業
サイト広告販売事業については、当四半期(平成14年4月1日~平成14年12月31日)の販売金額は、97,751千円と前年同四半期に比べ12.2% の伸びをみせました。サイト広告販売のうち当社の運営するサイト上で広告スペースを販売するWeb広告が80,566千円と前年同四半期に比べ16.8% の伸びをみせましたが、当社の運営する会員制メールマガジン上で広告スペースを販売するメール広告は17,184千円と前年同四半期に比べ5.2%の減少となるなど、基調的には低調が続いております。サイト広告販売事業は、景況に左右される側面を持ちますが、バナー広告の不人気が続いており、バナーに動画的な動きを付加したフラッシュ広告を手掛けるなど打開策を講じつつあります。
広告サーバ運用受託事業
広告サーバ運用受託事業については、当四半期(平成14年4月1日~平成14年12月31日)の販売実績は、58,617背年と前年同四半期に比べ 27.0%の減少となりました。クライアントサイドで経費節減のため、サーバ運用委託を取りやめる動きもみられ、これをカバーし売上を伸ばすために、新規受託先開拓に注力してまいります。
その他の事業
その他の事業については、当四半期(平成14年4月1日~平成14年12月31日)の販売実績39,959千円と前年同四半期に比べ54.2%の大幅減少となりました。前年同四半期はネット通販によるパッケージソフト販売高が加わり、その分販売金額が嵩上げされた反動減的要因が強く働いたものですが、主力の有力サイトへのコンテンツ情報提供収入の減少も響いております。ただ、一方で、ソフトハウス向け総合支援サービス「ベクター・シェルパ・サービス」(当社が自社サービス向けに開発したサービスシステムをソフトハウスに向けて提供するもので、ソフトハウスが行うソフトウェアのバージョンアップ、自社販売、ダウンロード等のサービス業務のアウトソーシング)に係る収入6,317千円が新たに加わりました。