2023年09月29日
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再発防止策に関するお知らせ

 当社は、2023年5月16日付「特別調査委員会の調査報告書(最終)公表に関するお知らせ」のとおり、特別調査委員会より調査報告書を受領いたしました。当社は、調査報告書において指摘された事項及び再発防止のための提言を踏まえ、再発防止策について具体的に検討してまいりました。
 このたび、本日開催の取締役会において、再発防止策について決議いたしましたので、下記のとおりお知らせいたします。
 株主の皆様、お取引先様、その他すべてのステークホルダーの皆様に、多大なるご心配とご迷惑をお掛けしましたことを深くお詫び申し上げます。
 当社は、再発防止策を講じることとなった原因を厳粛に受け止めるとともに、特別調査委員会の調査報告書において指摘された事項及び再発防止策のための再発防止策監視委員会からの提言を真摯に受け止め、当社の内部統制及びガバナンス上の問題をあらためて認識し、内部統制及びガバナンス体制の強化を最重要課題と位置付け、有効性・実効性の高い再発防止策を実行することにより、皆様からの信頼回復に努めてまいります。

1. 本件経緯及び再発防止策

(1)内部監査の強化
① 兼任の解消及び独立性の維持
 当社では、前任の管理部長が退職後に後任の採用が進まず、管理部人事労務担当兼内部監査室長が応急的に管理部長を兼任することとし、実質的に管理部長が不在の状態となっておりました。これを是正するため、新たに管理本部長を採用し、内部監査室長の兼任を解消いたしました。また、内部監査室は各本部には属しない代表取締役直下の部署として独立性を維持するようにしております。
 これにより、内部監査の独立性及び内部監査業務の品質向上につながることを期待しております。なお、内部監査室長の兼任禁止は、内部監査規程に明記いたします。

② 内部監査による情報収集とモニタリングの強化
 当社では、内部監査規定に則り、内部監査計画に則した内部監査を実施してまいりましたが、運用としての機能が不十分であったため、契約書等の未調印取引や取引証憑の不整備が発覚し、結果として、内部監査による能動的な情報収集や内部統制システムのモニタリングが不足していたものと考えております。
 これを是正するため、内部監査室長は、能動的な情報収集の一環として、各重要会議体への出席や稟議書の閲覧を通じた取引詳細の把握、また、同時に内部統制システムのモニタリングの一環として、出席する重要会議体の議案や閲覧する稟議書の起案、決議及び決裁が職務分掌権限規程に則しているかの確認、さらに、事後的な確認として決議及び決裁内容と契約書等の重要書類及び支払証憑の突合を行い、そこで得た組織の意思決定に関わる情報やリスクに関する事項を三様監査の一環として、必要に応じて監査役会及び会計監査人へ共有し適切な対応を講じます。

(2)法務部門の新設
 当社には法務部門が設置されておらず、契約書等の重要書類の確認を内部監査室が窓口となり顧問弁護士がチェックしていたものの、内部監査室の担当者に法務の知見が不足していたために、取引そのものの適切なチェックができておりませんでした。
 これを是正するため、新たに法務部門を設置し、法務に知見のある者を採用・配置いたしました。法務部門では、契約書等の重要書類の事前確認を通じて契約内容から生じるリスクを検証することで、法令違反、社内規程との不整合やトラブルを防ぐ予防的観点からの指摘を行います。なお、法令等の改正や新規事業分野に関連して新たに考慮すべき法令等への対応として、顧問弁護士との連携ができる体制としており、これらのことは、稟議規程/契約プロセスとして社内文書に明記いたします。

(3)ガバナンス改善
① 組織体制の変更
 当社では、特に新規事業に関して、検討資料や取引証憑が不十分のまま社長等担当者が主導して物事を進めていく運営となっておりました。また、実質的に管理部長が不在であったということもあり、管理部門において、取引の全容を把握して会計監査人に説明するための情報を集約する体制となっておりませんでした。
 これを是正するため、ガバナンスの強化及び再発防止策の一環として、組織体制を次のとおり変更いたしました。
 代表取締役を2名体制とし、異なる視点や経験を持つ2人の代表取締役が十分に情報共有を行い、重要な意思決定について議論し合うことで、相互牽制機能が発揮できる体制といたしました。また、経理部、人事・総務部、法務・IR部を統括する部門として管理本部を設置し、各事業部門についても統括部門として事業本部を設置いたしました。
 これにより、事業本部に報告された事業部門の情報も経営会議を通じて社内情報を管理本部長が一括して管理できるよう、情報共有の円滑化を図ってまいります。なお、新規事業のため部署化しておらず担当者未配置のままであった事業において、新たに事業部を設置し、各部門に人員を配置することで、職務分掌権限規程を遵守可能な体制としております。

② 職務分掌や職務権限の見直し
 当社では、内部監査室長が応急的に管理部長を兼務していたり、職務分掌権限規程上は管理部門が担うべき取締役会事項及び株主総会事項、監査対応等の業務を経営戦略室室長に委ねていたりしておりました。
 これを是正するため、職務分掌や職務権限の見直しを行い、職務分掌権限規程を改定いたします。見直しにあたっては、単に職責や役割を明確にするだけでなく、決裁プロセスにおいて、起案者、承認者、決裁者が特定の人物のみで行われることがないよう、起案者は承認、決裁に加わることができないといった相互牽制機能が発揮できる体制といたします。なお、見直し後の職務分掌権限規程に則した決裁プロセスの運用状況は、内部監査室によるモニタリングの対象としております。

③ 取締役会、監査役会の監督機能強化
 当社では、特に新規事業に関して、検討資料や取引証憑が不十分のまま社長等担当者が主導して物事を進めて運営していたことについて、取締役会あるいは監査役会による牽制が十分に機能しておりませんでした。
 これを是正するため、第35回定時株主総会を経て、取締役会や監査役会の監督機能強化に向けて、取締役を3名から5名(うち社外取締役3名)、監査役を3名から4名(すべて社外監査役)にそれぞれ増員いたしました。なお、新たに就任した社外取締役及び社外監査役は、いずれも専門知識や高いコンプライアンス意識を持ち、独立性を維持しつつ客観的見地から発言ができる素質を持っているものと評価しております。
 また、取締役会及び監査役会を含めた各重要会議体での議案に関連する資料(プレスリリース案を含む)は、各重要会議体に出席すべき者に対して、会議開催の3日前までに送付するようにいたしました。各重要会議体に出席すべき者は、会議開催前に議案に関連する資料を確認し、必要な検討を行った上で出席して意見を述べるものとし、また、議案に関連する資料に不足等があると判断した場合は追加で資料を請求できることとしております。なお、これらのことは、取締役会規程として社内文書に明記いたします。

④ コンプライアンス等に関する意識の向上
 当社では、特に新規事業に関して検討資料や取引証憑が不十分のまま社長等担当者が主導して物事を進めていたこと、重要会議体の議事録の記載内容が不十分であったこと等は、経営陣における、取締役会、管理部門、内部監査による牽制体制の構築・運用への意識が希薄であったものと認識しております。
 また、経営陣として、正確な適時開示に向け、会計監査人からの指摘に真摯に対応する、開示情報のチェックを遺漏なく行うといったことが説明責任を果たすことにつながるということ、及びそれが重要であることの理解が不十分となっておりました。加えて、監査役として、不正等の重大な問題として顕在化していなくとも、経営陣の牽制体制の構築に対する意識の希薄さや説明責任を果たすことの重要性に対する理解の不十分さを把握し、指摘していくことを通じて、良化を促す意識が希薄となっておりました。
 これらを是正するため、経営陣のコンプライアンス等に関する意識の更なる向上を促す研修が必要と考えております。取締役は取締役協会等が主催する研修を、監査役も監査役協会が主催する研修を年に1回は受講することといたします。また、全役職員を対象としたコンプライアンス研修を年に1回開催することとし、そこで取り上げる内容は本件の発生を受けてのそれぞれの意識の向上を促すものとしていくことを想定しております。なお、当該研修については、コンプライアンス規程に明記いたします。

(4)監査対応体制の改善
① 管理本部長の配置
 当社では、前任の管理部長が退職後に後任の採用が進まず、管理部人事労務担当兼内部監査室長が応急的に管理部長を兼任することとし、実質的に管理部長が不在の状態となっていたことで、監査対応を統括できず、会計監査人に対する説明が不十分となっておりました。
 これを是正するため、内部監査室長と管理部長の兼任を解消するとともに、経理部、人事・総務部、法務・IR部を統括する部門として管理本部を設置して、管理本部長を新たに採用しております。
 なお、新任の管理本部長は、経営戦略への理解やリスク管理能力を持ち、部門の責任者としての経験を持っている適任者であると判断しております。

② 証憑整備の徹底
 当社では、特に新規事業に関して、検討資料や取引証憑が不十分のまま社長等担当者が主導して物事を進めて運営していたこと、また、それ以外でも監査対応部門が会計監査人に対して検討資料や取引証憑を適時に提出することができておりませんでした。
 これを是正するため、取引や業務において必要な証憑類を特定し、証憑類の種類や内容、提出期限等を経理規定に明記いたします。
 決裁プロセスにおいては、起案者、承認者、決裁者による必要な証憑類がそろっていることの確認を必須とし、稟議規程に明記いたします。また、契約書等の重要書類については、法務部門による確認を行い、事後的には内部監査室によるモニタリングを通じて運用の徹底を図ってまいります。
 加えて、監査対応においては、監査対応部門となる経理部及び関係部署が必要な証憑類を正確に収集できるように、経理規程に則した証憑類の収集、整理、保管などの手続きについて、確認研修を行って理解を深め、以降、定期的に研修を行うことで適切な管理運用を徹底いたします。さらに、人員不足も不十分な監査対応の原因の一つとなっていたことから、経理部員を2名増員し4名体制といたしました。

③ 議事録・稟議内容の充実
 当社では、取締役会議事録は定型的な記載に留まっており、その他の重要会議体については議事録が未作成のものもあり、議事の経過の要領及びその結果が適切に記録しているとはいえず、また、稟議書も同様であったことから、それら会議体への出席者、稟議書の起案者や承認者でなければ、それら議事録や稟議書を利用して取引の全容を把握することが困難となっておりました。
 これを是正するため、稟議書については、対象取引の詳細な内容だけでなく、検討開始から起案に至る背景や経緯、取引関係者の情報等を、また、重要会議体の議事録については、それらに加えて、議事の経過の要領及びその結果を分かりやすく記載することとし、取締役会規程等に明記いたします。

④ 三様監査による連携強化
 当社では、内部監査室の監査役及び会計監査人との三様監査の連携が不十分となっておりました。
 これを是正するため、三様監査の連携を強化いたします。
 三様監査の連携強化に向けて、まずは、内部監査室と常勤監査役は月に一度ミーティングを実施し、監査役が内部監査室より内部監査とモニタリングで得た情報やリスクに関する事項について共有を受け、内部監査の進捗状況や課題、改善策について確認していくことを想定しております。
 その上で、三様監査の連携として、内部監査室、監査役及び会計監査人は四半期毎にミーティングを実施し、監査役が、監査役監査や内部監査で得た情報やリスクに関する事項などを会計監査人へ共有し、会計監査人より新たな疑義や確認事項とともに、過去事案に対する当社の対応状況も共有して検証し、会議メモを記録として残すことといたします。なお、これらの対応については、監査対応手続きプロセスに明記いたします。

(5)開示体制の見直し
① 開示体制の整備
 当社では、指摘を受けたプレスリリース案については、社長及び経営戦略室室長以外の当社関係者にも公表前に回付され、取引が記載されていないことに気が付いた者もおりましたが、経営戦略室室長が確認して社長の承認を経ているものとしてこれを信頼する等、職務分掌権限規程に則って運用されてきた経緯に倣い、これが反映されることはありませんでした。また、プレスリリース案の作成を委託された外部担当者に対しても情報を共有出来ておりませんでした。これらのことから、当社の開示チェック体制は構造的に機能しないものとなっており、また、関係者間での情報共有が不十分であったものと考えております。
 これを是正するため、適時開示体制の見直しを行います。
 プレスリリース案の作成段階においては、作成担当者に対する情報共有の徹底に向け、管理本部長が作成担当者に対する情報共有の責任者であること、起案者等の関係者は全ての情報を管理本部長へ集約すること等を明記したプレスリリースプロセスを作成することで、その職責を明確にいたします。プレスリリースプロセスには、プレスリリース案の作成後、管理本部長が適時開示に必要な情報の網羅性、正確性を確認の上、経営企画室へ回付し、経営企画室の認識や把握した情報との不整合(その疑いを含む)の有無の観点から確認を行うこととし、確認の結果は、経営企画室から管理本部長に対して修正案やコメントを送付することによるチェック機能の強化も明記いたします。
 また、決定事実の適時開示においては、プレスリリース案を重要会議体の開催3日前までに各重要会議体に出席すべき者へ送付することにより、取締役会決議までの事前検討時間を確保できるようにしております。

② 研修の実施
 当社では、取引先との関係性に係る状況について誤解釈があったこと、職務分掌権限規程に則り運用されてきた経緯に倣い、経営戦略室室長が確認して社長の承認を経ているのであれば誤りはないものと社内的にこれを信頼していたこと等から、適時開示する情報が開示の時点で正確かつ不足のないものでなければならないという意識が全社的に希薄であったと考えております。
 これを是正するため、適時開示がステークホルダーに対する企業の透明性と信頼性を高めるための重要な役割を担っていることを再確認し、プレスリリース案作成担当者、管理本部長及び取締役においては、東京証券取引所の適時開示セミナー等を受講し、適時開示に関する理解を深めます。特に、プレスリリース案作成担当者とチェックを担う管理本部長は、それぞれに適時開示対象となる会社情報の項目やタイミング等についてより適格な判断が求められるため、適時開示に関連する知識や実務上の留意点のほか、注意を要する適時開示の事例等のアップデートを目的として、年に1回適時開示に関連する研修を受けることとし、コンプライアンス規程に明記いたします。

(6)再発防止策監視委員会
① 設置・役割
 特別調査委員会の調査結果を受けて、再発防止策の策定及び実施状況のモニタリング機関として、再発防止策監視委員会を設置いたしました。
 再発防止策監視委員会の委員には、それぞれ経営、法務、会計に関する知見を有する者等、スキルバランスを考慮して、前会計監査人の疑義に関与していない新任社外取締役1名、新任社外監査役1名、外部有識者として弁護士1名、公認会計士1名の計4名からなる委員を選定しております。
 また、再発防止策監視委員会の事務局を内部監査室とすることで、当社内のさまざまな部門やシステムにアクセスでき、スムーズな社内情報の収集と円滑なフィードバックができるものと考えております。

② 開催・運用
 再発防止策監視委員会は、今般の再発防止策の検討に際してこれまでに月に複数回開催してきておりますが、今後、原則として月に1回開催することとし、当社が実施する、①内部監査室のモニタリング(証憑類確認状況及び結果、重要会議体での様子(リスク含む)、計画に準じた監査ができているか等)、②社外取締役及び監査役のモニタリング(取締役会の様子)の状況について定期的に報告を受け、再発防止策の進捗と実施運用状況を把握し、あわせて再発防止策の実効性を評価した上で、取締役会に対して、その結果とともに必要な提言及び助言を行うことを目的として運用してまいります。

以上
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