2012年3月期　通期

業績の概要

単位：百万円

業績について

　当事業年度（平成23年４月１日～平成24年３月31日）におけるわが国経済は、東日本大震災後の内需の一時的な停滞、超円高、欧州債務危機及びタイの洪水被害などによる輸出の減退によって景気回復は足踏み状態になりましたが、年明け以降は円高是正及び内需の回復によって徐々に復調してまいりました。このような環境下当社の当事業年度の業績は、営業収益につきましては、3,635,484千円と前事業年度比7.8％減と減収となりました。一方、利益状況につきましては、営業収益が減少する中で、減価償却費など固定費の増加が響いて、営業利益は51,742千円と前事業年度比87.6％の減少、経常利益は55,679千円と前事業年度比86.9％の減少となりました。また、オンラインゲーム事業に係るソフトウェアの減損損失102,470千円のほか事業年度末の３月下旬に発生した当社サーバーへの不正アクセス事案に絡んだ情報セキュリティ対策費の引当計上110,000千円を含めて特別損失229,190千円の計上により、税引前当期純損失172,070千円(前事業年度は税引前当期純利益253,082千円)となりました。この結果、法人税等調整額などを差引いて当期純損失255,104千円(前事業年度は当期純利益146,871千円）となりました。
　当事業年度のセグメント別販売実績は以下のとおりであります。

オンラインゲーム事業

　当社が新たな経営の柱として力を入れているオンラインゲーム事業については当事業年度の販売金額は、2,548,570千円と前事業年度に比べ4.1％減となりました。
　当該事業は、従来型オンラインゲーム（クライアントソフトをパソコンにダウンロードするもの）、ブラウザゲーム（パソコンのブラウザ上で起動するダウンロード不要のオンラインゲーム）、モバイルゲーム（従来型の携帯電話のほかスマートフォンと呼ばれる高機能携帯電話を使った交流サイトで遊べるソーシャルゲーム）の３つの分野から構成されていますが、当該事業の約７割を占める従来型オンラインゲームは概ね好調でしたが、ブラウザゲーム、モバイルゲームの大幅減が響きました。
　従来型オンラインゲーム（MMORPG）は、大型タイトルの「Finding Neverland Online －聖境伝説－」（平成23年４月より正式サービス開始）及び「晴空物語」（平成23年11月より正式サービス開始）など、当事業年度末時点で12タイトルを運営しました。
　また、当社が運営する専門ポータルサイト「ブラゲタイム」上で展開するブラウザゲームは「ドラゴンクルセイドⅡ」など当事業年度末時点で６タイトルを運営しました。ブラウザゲームは、従来型オンラインゲームに比べ表現力に劣る点や、ライトユーザーがスマートフォンを使ったモバイルゲームに移行している点等から、一時ほどの勢いがなくなりました。
　一方、平成21年8月より開始したモバイルゲームは、当社の場合、主として携帯電話向けに交流サイト運営会社の専門サイトを通じて、「こいけん!」など当事業年度末時点で６タイトルを運営しました。モバイルゲームはタイトルを自社開発しておりますが、競争激化による苦戦を余儀なくされております。

ソフトウェア販売事業

　ソフトウェア販売事業については、当事業年度の販売金額は927,024千円と前事業年度に比べ17.3％減となりました。うち、プロレジ・サービスの販売金額は807,292千円と前事業年度に比べ15.5％減となるなど、ソフトウェアのダウンロード販売事業は、ウイルス対策ソフトについては依然根強い需要がありますが、消費者の有料パソコンソフトに対する需要は、減少しつつあります。そのほか、ソフトハウス向けダウンロード販売総合支援サービス業務の販売金額も90,015千円と前事業年度に比べ20.4％減となりました。

サイト広告販売事業

　当社の「Vector」サイト上で展開するサイト広告販売事業の当事業年度の販売金額は、ソフトウェア販売の落込みと連動するかたちで156,121千円と前事業年度に比べ2.7％減となりました。なお、キーワード広告（リスティング広告）については当該事業の４割近くを占め、サイト広告販売事業を下支えしましたが、当該事業全体では景気回復の遅れが響き、概して低調裡に推移しました。

その他の事業

　その他の当事業年度の販売金額は、3,767千円と前事業年度に比べ18.4％減となりました。うち、個人向け会員制ブログサービスが約３分の１を占めており、他は他社サーバー運用受託サービス等となっております。