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決算短信・決算発表資料

2020年3月期 通期

1. 経営成績等の概況

 当事業年度(2019年4月1日~2020年3月31日)におけるわが国経済は、緩やかな景気回復が持続しておりましたが、世界的な通商問題に加え、2019年10月に実施された消費増税により個人消費が停滞し、足踏み状態となりました。直近では、新型コロナウィルス感染症の拡散により国内外の経済が大きく影響を受け、景気及び先行きは非常に厳しい状況となっております。
 当社の事業領域であるソフトウェア販売を取り巻く環境としましては、2020年1月のWindows 7のサポート終了に伴う入れ替え需要など法人市場での拡大が続いており、減少が続く個人需要を法人需要が牽引するかたちとなっております。
 このような環境のもと、ソフトウェア販売事業につきましては、消費増税前の駆け込み需要の反動はあったものの、拡販施策等により当事業年度の営業収益は前事業年度に比べて増収の結果となりました。
 また、ソフトバンク(株)との業務提携により2019年1月より「App Pass」の運用業務を開始したことにより、営業収益及び営業利益が増加しております。
 なお、ゲーム市場での競争の激化、パソコン向けゲーム市場の縮小等の影響を受け、パソコン向けゲーム、スマートフォン向けゲーム等のサービスを提供しておりましたオンラインゲーム事業を2019年5月8日付けでライオンズフィルム(株)へ譲渡しました。
 以上の結果、当事業年度の営業収益は9億49百万円(前事業年度比17.5%減)、営業利益は36百万円(前事業年度は1億41百万円の営業損失)、経常利益は41百万円(前事業年度は1億38百万円の経常損失)、当期純利益は39百万円(前事業年度は2億7百万円の当期純損失)となりました。
 当事業年度のセグメント別販売実績については、以下のとおりであります。

(単位:千円、%)

  第32期3月期
金額 前年同期比 構成比
App Pass事業 479,425 194.0 50.5
ソフトウェア販売事業 394,129 6.9 41.5
サイト広告販売事業 31,744 △24.1 3.3
オンラインゲーム事業 32,214 △94.3 3.4
その他 11,966 △4.0 1.3
合計 949,480 △17.5 100.0

App Pass事業
 当事業年度におけるApp Pass事業の販売金額は、4億79百万円(前事業年度比194.0%増)となりました。App Pass運用受託の開始が2019年1月であったため、前事業年度が3ヵ月間の実績だったことに対し、当事業年度は通年での実績となっております。App Pass利用者数に応じた収入が当該事業の販売金額となっております。

ソフトウェア販売事業
 当事業年度におけるソフトウェア販売事業の販売金額は、3億94百万円(前事業年度比6.9%増)となりました。法人向け市場は底堅く推移し、個人向け市場は減少が続いております。しかしながら、Windows 7のサポート終了に伴うOSの入れ替えが進み、それに伴って新たにニーズが発生したことや、2019年10月の消費増税前に一定の駆け込み需要があったこと等により、販売金額は増加しております。

サイト広告販売事業
 当事業年度におけるサイト広告販売事業の販売金額は、31百万円(前事業年度比24.1%減)となりました。ネットワーク配信型広告(キーワード広告、ユーザーの傾向を分析する行動ターゲティング広告等)の営業収益は、配信単価の下落の影響を受けて減少の結果となりました。

その他
当事業年度におけるその他の販売金額は、11百万円(前事業年度比4.0%減)となりました。その他の販売金額には、スマートフォン向けサービスの販売金額が含まれております。

(2)当期の財政状態の概況
 当事業年度末の資産合計は、前事業年度末に比べ3億95百万円減少して15億31百万円となりました。また、負債合計が前事業年度末に比べ4億34百万円減少して4億32百万円となり、純資産合計が前事業年度末に比べ39百万円増加して10億98百万円となりました。
(資産)
 流動資産減少の主な要因は、現金及び預金が21百万円増加し、貸倒引当金が1百万円減少したものの、売掛金が1億6百万円、未収入金が1億24百万円、前払費用が4百万円、その他が3百万円減少したことによるものです。
 固定資産減少の主な要因は、有形固定資産が2百万円増加したものの、無形固定資産が1億75百万円、投資その他の資産が5百万円減少したことによるものです。
(負債)
 流動負債減少の主な要因は、未払金が1億52百万円、預り金が1億92百万円、事業譲渡損失引当金が32百万円、賞与引当金が13百万円減少したこと等によるものです。
 固定負債減少の要因は、退職給付引当金が15百万減少したことによるものです。
(純資産)
 純資産増加の主な要因は、当期純利益39百万円を計上したこと等によるものです。
 また、自己資本比率は71.7%となりました。

(3)当期のキャッシュ・フローの概況
 当事業年度において現金及び現金同等物は、期首残高の7億57百万円から21百万円増加し、期末残高が7億78百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
 当事業年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前当期純利益40百万円から減価償却費1億78百万円、売上債権の減少額等を加算した小計段階で1億58百万円の収入となり、利息及び配当金の受取りと法人税等の支払いを加減算した結果、1億59百万円の収入(前事業年度は46百万円の収入)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
 当事業年度の投資活動によるキャッシュ・フローは、無形固定資産(ソフトウェア)取得による支出1億34百万円、有形固定資産の取得による支出8百万円等があり、1億38百万円の支出(前事業年度は5億6百万円の支出)となりました。
 この結果、営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローを合わせた純現金収支(フリーキャッシュ・フロー)は、21百万円の収入となり、現金及び現金同等物の残高の増加要因となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
 当事業年度の財務活動によるキャッシュ・フローの収支はありませんでした(前事業年度の収支はありませんでした)。

(4)今後の見通し
 当社は、ソフトウェア販売事業及びサイト広告販売事業に加え、「App Pass」運営の業務提携とその拡大、新規事業や新たな分野への事業参画を模索しつつ事業を進めて参ります。
 現在、新規事業や新分野の事業の開発などを積極的に進めており、業績予想数値の合理的な算定を行うことが困難な状況であり、通期の業績予想と実際の業績では大きく乖離する恐れがあるため、通期の業績予想に代えて翌四半期累計期間の業績予想を開示しております。

2. 会計基準の選択に関する基本的な考え方

 当社は、国際的な事業展開や資金調達を行っておりませんので、国内でのIFRSの採用動向を検討した結果、当面は日本基準に基づき財務諸表を作成する方針です。

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