2022年3月期 通期
1. 経営成績等の概況
(1)当期の経営成績の概況
「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日。以下「収益認識会計基準」という。)等を第1四半期会計期間の期首から適用し、約束した財又はサービスの支配が顧客に移転した時点で、当該財又はサービスと交換に受け取ると見込まれる金額で収益を認識することとしております。詳細は、「3.財務諸表及び主な注記(5)財務諸表に関する注記事項(会計方針の変更)」をご参照ください。
当事業年度(2021年4月1日~2022年3月31日)におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の拡散により国内外の経済が大きく影響を受け、景気及び先行きは非常に厳しい状況が続いております。
このような環境のもと、ソフトウェア販売の当事業年度の営業収益は、コロナウイルスの影響よる在宅勤務用のパソコンで使用するソフトウェアの需要が一巡したこと、前事業年度は書体の特価販売が好調だったことなどにより、前事業年度より減少(収益認識に関する会計基準による影響額を除く)しております。サイト広告販売の当事業年度の営業収益は、掲載単価の改善により前事業年度より増加しております。「App Pass」の当事業年度の運用受託収益は、「App Pass」利用者数の減少に伴い前事業年度より減少しております。「PayPayポイント」のスマホ専用ポイントモール「QuickPoint」の営業収益は、利用者数の増加に伴い前事業年度より増加しております。また、当事業年度より2021年2月よりサービスを開始した電子署名サービス「みんなの電子署名」及び2022年3月よりサービスを開始したファイルへのタイムスタンプ付与サービス「みんなのタイムスタンプ」の営業収益を計上しておりますが、その額は軽微であります。
当事業年度の営業費用は、2021年2月より開始した電子署名サービス「みんなの電子署名」のプロモーション活動を実施したこと、役員退職慰労引当金の計上等により、前事業年度より増加(収益認識に関する会計基準による影響額を除く)しております。
以上の結果、当事業年度の営業収益は3億65百万円(前事業年度比57.9%減)、営業損失は3億45百万円(前事業年度は70百万円の営業損失)、経常損失は3億44百万円(前事業年度は57百万円の経常損失)、当期純損失は3億45百万円(前事業年度は59百万円の当期純損失)となりました。
なお、「収益認識会計基準」の適用により、当事業年度の営業収益及び営業費用がそれぞれ2億54百万円減少しており、同基準適用前の従来基準で算定した場合の営業収益は6億19百万円(前事業年度比28.6%減)、営業費用は9億65百万円(前事業年度比2.9%増)となっております。
(2)当期の財政状態の概況
当事業年度末の資産合計は、前事業年度末に比べ3億80百万円減少して9億76百万円となりました。また、負債合計が前事業年度末に比べ35百万円減少して2億83百万円となり、純資産合計が前事業年度末に比べ3億45百万円減少して6億93百万円となりました。
(資産)
流動資産減少の主な要因は、その他が14百万円増加したものの、現金及び預金が78百万円、売掛金が34百万円、未収入金が49百万円、前払費用が1百万円減少したことによるものです。
固定資産減少の主な要因は、無形固定資産が1億29百万円、投資有価証券が1億円減少したこと等によるものです。
(負債)
流動負債減少の主な要因は、買掛金が20百万円、未払金が5百万円、預り金が73百万円、その他が4百万円減少したこと等によるものです。
固定負債増加の要因は、退職給付引当金が2百万円、役員退職慰労引当金が68百万円増加したことによるものです。
(純資産)
純資産減少の主な要因は、当期純損失3億45百万円を計上したことによるものです。
また、自己資本比率は71.0%となりました。
(3)当期のキャッシュ・フローの概況
当事業年度において現金及び現金同等物は、期首残高の8億62百万円から78百万円減少し、期末残高が7億83百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前当期純損失3億44百万円から減価償却費1億35百万円、役員退職慰労引当金の増加額68百万円、売上債権の減少額83百万円等の加算や仕入債務の減少21百万円、預り金の減少額73百万円等の減算をした小計段階で1億75百万円の支出となり、利息及び配当金の受取りと法人税等の支払いを加減算した結果、1億73百万円の支出(前事業年度は91百万円の収入)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度の投資活動によるキャッシュ・フローは、無形固定資産(ソフトウェア)取得による4百万円の支出がありましたが、投資有価証券の売却による1億円の収入があり、95百万円の収入(前事業年度は7百万円の支出)となりました。
この結果、営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローを合わせた純現金収支(フリーキャッシュ・フロー)は、78百万円の支出となり、現金及び現金同等物の残高の減少要因となりました。
(4)今後の見通し
当社は、「インターネットおよびインターネットに関する技術を使用したサービス」の提供を行っております。ソフトウェアの販売、サイト広告の販売、「PayPayポイント」のスマホ専用ポイントモール「QuickPoint」の運営、「App Pass」の運営受託など、既存ビジネスによる収益を確保しつつ、新たな分野として参入した電子署名サービスの「みんなの電子署名」やファイルへのタイムスタンプ付与サービスの「みんなのタイムスタンプ」の収益化も進めて参ります。
当社が新たに参入したトラストサービス(電子署名サービスやファイルへのタイムスタンプ付与サービス)のビジネス分野は、業績を含め将来の予想数値を合理的に算定を行うことが困難な状況であります。そのため、通期の業績予想と実際の業績では大きく乖離する恐れがあるため、通期の業績予想に代えて翌四半期累計期間の業績予想を開示しております。
2. 会計基準の選択に関する基本的な考え方
当社は、国際的な事業展開や資金調達を行っておりませんので、国内でのIFRSの採用動向を検討した結果、当面は日本基準に基づき財務諸表を作成する方針です。