2023年3月期 通期
1. 経営成績等の概況
(1)当期の経営成績の概況
当事業年度(2022年4月1日~2023年3月31日)におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症による国内外の経済への影響やウクライナ情勢の長期化による原材料価格の上昇の影響を受けて停滞が継続しており、景気の先行きについても、欧米に端を発した金融情勢の悪化による影響で不透明且つ厳しい状況が続いております。
このような環境のもと、当事業年度のソフトウェア販売の営業収益、サイト広告販売の営業収益、「AppPass」運用受託収入の何れも前事業年度より減少しております。一方、「QuickPoint」(「PayPayポイント」のポイントモール)およびトラストサービス(「みんなの電子署名」「みんなのタイムスタンプ」)の当事業年度の営業収益は、前事業年度より増加しております。
「AppPass」に関連するソフトウェアの減価償却が前事業年度中に終了したことや、前事業年度に役員退職慰労引当金繰入額の計上が一時的に発生していたこと等から、当事業年度の営業費用は前事業年度に比べて減少しておりま
す。
また、本社移転に伴う費用8百万円を営業外費用として計上し、前監査法人から金融商品取引法第193条の3第1項に規定する通知を受け、特別調査委員会を設置して事実関係の調査をした費用として59百万円、固定資産の減損損失7百万円、固定資産の除却損5百万円をそれぞれ特別損失として計上しております。
以上の結果、当事業年度の営業収益は2億46百万円(前事業年度比32.6%減)、営業損失は3億54百万円(前事業年度は3億45百万円の営業損失)、経常損失は3億62百万円(前事業年度は3億44百万円の経常損失)、当期純損失は4億35百万円(前事業年度は3億45百万円の当期純損失)となりました。
(2)当期の財政状態の概況
当事業年度末の資産合計は、前事業年度末に比べ1億69百万円減少して8億7百万円となりました。また、負債合計が前事業年度末に比べ82百万円減少して2億円となり、純資産合計が前事業年度末に比べ87百万円減少して6億6百万円となりました。
(資産)
流動資産減少の主な要因は、現金及び預金が2億61百万円、売掛金が17百万円、未収入金が58百万円減少したこと等によるものです。
固定資産増加の主な要因は、無形固定資産が3百万円減少したものの、有形固定資産が42百万円、長期差入保証金が80百万円、敷金が41百万円増加したこと等によるものです。
(負債)
流動負債減少の主な要因は、未払金が50百万円、その他が10百万円増加したものの、買掛金が14百万円、預り金が89百万円減少したこと等によるものです。
固定負債減少の要因は、その他が3百万円増加したものの、退職給付引当金が6百万円、役員退職慰労引当金が46百万円減少したことによるものです。
(純資産)
純資産減少の主な要因は、新株発行により資本金が1億67百万円、資本準備金が1億67百万円増加し、新株予約権が13百万円増加したものの、当期純損失4億35百万円を計上したことによるものです。
また、自己資本比率は73.5%となりました。
(3)当期のキャッシュ・フローの概況
当事業年度において現金及び現金同等物は、期首残高の7億83百万円から2億61百万円減少し、期末残高が5億21百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前当期純損失4億34百万円から減価償却費3百万円、売上債権の増加額75百万円等の加算や役員退職慰労引当金の減少額46百万円、仕入債務の減少16百万円、預り金の減少額89百万円等の減算をした小計段階で4億28百万円の支出となり、利息及び配当金の受取りと法人税等の支払いを加減算した結果、4億28百万円の支出(前事業年度は1億73百万円の支出)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度の投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による45百万円の支出、無形固定資産の取得による6百万円の支出、長期差入保証金の差入れによる80百万円の支出、敷金の差入れによる40百万円による支出があり、1億82百万円の支出(前事業年度は95百万円の収入)となりました。
この結果、営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローを合わせた純現金収支は、6億10百万円の支出となっております。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度の財務活動によるキャッシュ・フローは、新株発行により3億35百万円の収入、新株予約権の発行により13百万円の収入があり、3億48百万円の収入となりました。
(4)今後の見通し
現在、既存ビジネスの再構築を行うとともに新規事業分野への参入を積極的に進めております。このため、合理的に将来の業績予想数値の算定を行うことが困難な状況であり、業績予想と実際の業績は大きく乖離する恐れがあるため業績予想の開示は行っておりません。業績予想数値の算定が可能となった時点で開示いたします。
(5)継続企業の前提に関する重要事象等
当社は、前期に345,889千円、当期に354,345千円の大幅な営業損失を計上し、また、当期には営業キャッシュ・フローも428,267千円と大幅なマイナスとなっております。当該状況により、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような状況が存在しております。
当社は、当該状況を解消し又は改善すべく、2024年3月期において、再生可能エネルギー関連ビジネスおよびM&A仲介ビジネスによる大幅な営業収益の増加を計画し、営業損失の大幅縮小および営業キャッシュ・フローがプラスとなる予定であります。
2. 会計基準の選択に関する基本的な考え方
当社は、国際的な事業展開や資金調達を行っておりませんので、国内でのIFRSの採用動向を検討した結果、当面は日本基準に基づき財務諸表を作成する方針です。